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観劇こそ我が人生

~観劇備忘録~

「新春浅草歌舞伎2016」で初めての歌舞伎観劇してきました【感想】

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2016年の観劇初め。


タイトル通り、わたくし先日歌舞伎デビューをして参りました。

場所は浅草。
 
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初詣で賑わう客に混じってお参りしてから向かったのは浅草公会堂。
観てきたのは「新春浅草歌舞伎2016」。
 
この公演は毎年1月に行われている恒例行事のようで、20代を中心に次世代を担う若き花形役者たちで構成されたフレッシュで熱心な演技を観る事が出来る公演です。
 
同時期に新橋演舞場でも市川右近さん、市川海老蔵さん、中村獅童さんによる「初春花形歌舞伎」が公演しているのですが、本来はこちらを見てから若手の浅草歌舞伎を見るのが良いらしいです。
と、いうか歌舞伎に触れたいならこちらの方を先に観た方が断然良いです。
私はミュージカル「Thrill Me」「エリザベート」にて拝見していた尾上松也さん目当てだったので歌舞伎デビューは若手の方を選びましたが、若手の古典歌舞伎を観ただけでも歌舞伎の凄さと迫力に感動したので、洗練された花形役者の演技なんて迫力はもっと凄いんだと思います。
私もいつか観に行く予定ではありますが、初心者の方は是非「初春花形歌舞伎」からどうぞ。
 
話を戻します。
 
浅草公会堂は1階が受付、2階が劇場になっています。
入ってすぐのところで、幕間に食べるお弁当を威勢の良いおばさま達が手売りしていました。
私は今回買っていませんが、カツサンドが美味しそうでしたよ。
で、その奥では芋ようかんやらが出張店のような形で並んでいまして、私はおやつにレーズンサンドを買いました。
 
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キャラメル味とブルーベリー味を薦められたので、抹茶味とレーズン味のレーズンサンドを購入(薦めてくれたおじさんごめんよ)
味は普通にレーズンサンドでした。美味しかったです。
 
 
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「新春浅草歌舞伎」では一部と二部で異なる演目が上演されています。
 
一部は「三人吉三巴白浪-大川端庚申塚の場-」「土佐絵」「与話情浮名横櫛-源氏店の場-」。
二部は「歌舞伎十八番の内 毛抜」「義経千本桜-川連法眼館-」。
 
今回私は「二部」の方を観ました。
「毛抜」が面白そうだったので。
 
んで、
初心者中の初心者の私は、観る前にこれを借りました。
 
タラララッタラー♪
 
「イ~ヤ~ホ~ン~ガ~イ~ド~(CVはお任せします)」
 
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(新春ってことで今回の公演ではおみくじ付きでした)
(やったね大吉)
 
歌舞伎初心者の友ともいえるこのイヤホンガイド。
これを付ければ演目のあらすじ、成り立ち、台詞、衣装や小道具などの解説を耳で聴きながら目の前の歌舞伎を楽しむことができます。
入口をくぐってすぐの所で借りることができ、値段はレンタル料700円で保証金は1000円。
保証金は観劇後、イヤホンガイドを返却した際に返って来ます。
 
最初は目の前の声とイヤホンガイドの声の両方を聴くのがちょっと難しかったのですが、一幕の終わり頃には耳も慣れて、両方聴いて楽しむことが出来ました。
初心者の方は絶対に!とは言いませんが、余裕があるなら借りた方がいいです。
歌舞伎の台詞まわしって最初何言ってるかあまり聴き取れませんから(笑)
いやほんとに。
 
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この公演では開演前と幕間に「花形俳優リレーコメント」なる企画をやっていて、出演者のコメントを聴くことが出来ました。
全員分のコメントを聴くことが出来なかったのが残念。
已之助さんのコメント聴きたかったなあ…。
 
***
 
さてさて、前置きが長くなりましたがここからようやく本編に触れますよ。
簡単なあらすじと簡単な感想になりますが、歌舞伎初心者なので変なことを言っていても仏の目でスルーしてやってくださいまし。
 
あと、本編の前にお年玉と称した日替わり挨拶があるのですが、その話は割合します。
でも寂しいので挨拶に触れたツイートだけ置いておきますね。
 

 (……)

 

「毛抜」

【超適当なあらすじ】
小野春道家はただいまお家騒動の真っ最中★
そんなところにやってきちゃったのが主人公の粂寺弾正。
実は弾正のとこのお殿様が小野家の錦の前と婚約してるんだけど、錦の前が病気だからってんで未だに結婚が出来ずに延期になっているのだ。
 殿「弾正、姫の様子見てきて」
弾正「了解であります主」
ってんで小野家に姫様の様子を見に来た弾正。
家の人に「錦の前どう?」って聞けば「もうこの病気治らんかもしれん」と返ってくる。
なんと錦の前の病気は髪の毛が逆立っちゃう病なんだとか。マジか。
実際に錦の前が頭に被っていた羽織を取ると、髪の毛が天井に逆立つ逆立つ。
「マジかー」と驚きつつ「でもなんか怪しくね?」って不審に思う切れ者の弾正。
流石は主人公。
「とりあえず当主の春道様と面会させてちょ」とお願いして別室で春道を待つことに。
その間、接待にやってきた美少年と美人の腰元に手を出して見事に振られつつ、暇潰しに毛抜きで髭を抜いていると、な、ななななんと床に置いた毛抜きが一人でに立ち上がって踊っているじゃあないか!
 
弾正「アンビリバボー!姫の毛は逆立つし毛抜きは踊るしここは妖の住む家なのか?!」
 
そんな色々と怪しい家に来てしまった弾正が小野家の問題を解決していく面白推理劇です。
 
↓ちゃんとしたあらすじが知りたい方はこちらからどうぞ↓
 
***
 
この演目は「荒事」というジャンルのいわゆるヒーローもののお話なのだが、とにかく主人公が変わり者で可笑しくて面白い。
気取った態度を取ったり男も女も口説く両刀使いだったり、でもただ面白いだけじゃなくて頭が切れる男なんですよね。
今回は中村已之助さんが主人公の弾正役だったのだが、威勢が良く声がとても大きく目立っていて非常に良かったです。
これで喉を痛めない出し方してるってんだから凄い。
この役は演じる人によって印象が変わるらしいのだが、初心者の私からすると笑いの部分で随分と緊張感が解れて肩の力を抜いてお芝居を観ることが出来たので、今回の弾正が巳之助さんで良かったなと純粋に思いました。
あとヒーローものだからか悪役が悪役らしい出で立ちと性格で分かりやすいのが良かったですね。
その悪役と対立する善人は美青年と美少年の兄弟だし、美少年若衆をやっている中村米吉くんがまあかわいいのなんのって。
そりゃあ弾正も鼻の下伸ばすわ。
錦の前役の中村鶴松くんが「嫌じゃ嫌じゃ」と嫌がる様子も大変可愛らしかった。
 
 

「義経千本桜-川連法眼館-」

【超適当なあらすじ】
兄に都を追われて吉野山の川連法眼さん家に匿われている源義経。
そんなところに家臣の佐藤忠信が静御前を連れて会いに来た。はずだった。
義経「お、義経元気ー? お前に預けた静御前と初音の鼓は元気してるー?」
忠信「はい? 何の話でございましょう」
義経「は? 忘れたとは言わせねぇぞぶっとばすぞ」
実はこの義経、一年前に伏見稲荷にて恋人の静御前と大事な初音の鼓を忠信に預けていたのだった。
けれども忠信は自分の国に帰っていて、今こちらへ帰ってきたばかりだと言う。
義経「お前! 静御前を何処へやったし!」
忠信「だから静御前なんて知りませんし」
そんな押し問答をしていると、「浅野忠信殿と静御前が来ました!」と伝達係が義経に言いにやって来ます。
義経「え、ここに忠信が居るのにまた忠信が来ただって? あ、さてはお前偽物の忠信だろ!」
忠信「はい?!」
義経「静御前を連れてる方が本物に決まってんじゃん!」
忠信「(もう何が何やら…)」
とりあえず来訪者を呼ぶと何故か静御前だけがやってきた。
静御前「あら、忠信様先回りしていらしたの?」
忠信「いや会うの初めてですし…」
静御前「嫌だわ忠信様ったら冗談言って、さっきまで一緒に居たじゃありませんの」
忠信「だから知りませんて」
静御前「…あらやだ義経様、この忠信様私の知っている忠信様とちょっと違いますわ(驚)」
義経「えーーー?」
静御前「そういえば忠信様ったら不思議な方でね、初音の鼓を鳴らすと出てくるのよ」
義経「んじゃ、それ鳴らしてお前と居た忠信おびき出そうず」
ってんで初音の鼓を叩いてみると、何処からともなく忠信が現れてびっくり!
しかし見た目は忠信のようだが、ひとつ鼓を鳴らせば、まるで獣のように踊りだす忠信は、先程までキリリとした勇ましい佇まいの忠信とは大違い。
そこで静御前は気付くのです。
静御前「お前、さては狐の類だね?!」
狐忠信「バレちゃったコーーーーーン!!」
静御前が振り回す短刀をひらりとかわした忠信は、ポン!、と人間の姿から獣の姿へ。
なんと静御前と一緒に居た忠信は稲荷だったのだ!
 
狐忠信「実はその鼓の皮、私の父と母の皮なのです…(よよよ」
 
そう言って事の経緯を話し始める狐の、親子愛を感じられる切ないお話です。
 
↓ちゃんとしたあらすじが知りたい方はこちらをどうぞ↓
 
***
 
こちらも毛抜とは違えど奇想天外なお話。
けれども最後は切なくもほっこりするお話です。
 
最初にも書きましたが、ミュージカルでしか拝見したことがなかった尾上松也さん。
折角の縁だからと本業を観に来たのが今回の目的だったのだが、ミュージカルしてる時よりも声が高い!(そこ?)
この演目では本物忠信と狐忠信の二役を一人で演じる訳ですが、本物忠信はキリリといかにも誠実そうな振る舞いで、一方狐忠信は可愛らしい獣仕草。
このギャップが面白い。
と言っても本物忠信が出てくるのは最初だけで後半はずっと狐忠信なのだが、とにかくこの狐仕草が可愛らしい。
人間から獣の姿へ早着替えするシーンは必見(これをケレンと言うらしい)
獣を表すフサフサとした着物に早着替えした後は、飛び跳ねる度にフッサフッサと毛が踊っていて目が楽しかったです。
鼓の音に合わせて飛び跳ねたり顔を掻いたり、本当に可愛かった…(動物ものに弱い)
役者さんによっては宙返りをしたりもするらしいですが、それでなくとも体力勝負な役だと思うので、日々相当身体を鍛えてないとあれだけ動けないよなあと思いつつ、他の役者さんの狐も観たくなりました。
何はともあれ松也さんとても頑張っていました。
 
そうそう、揚幕を使った出の演出に見事初心者の私は引っかかりました。
いやー驚いた。
こういう演出方法もあるのか…!と思わず感動。
 
あとちょっと気になったのが、静御前役の新悟くんが鼓を叩く時に本人は叩く真似をして袖で本物(?)の鼓が鳴っていたのだが、あれはいつもそうなのだろうか?
本人が音を出すものだとばかり思っていたのでちょっと残念。
しかし新悟くん自体は義経を慕う慎ましくしおらしい姿が健気で艶やかで、とても素敵でした。
その隣に座る義経のイケメン隼人くんも実に堂々としていた。
已之助さんの亀井六郎の細さ具合には最早笑ってしまった。着膨れタイプか。
あと毛抜の時も思ったけど、国生くん20歳にしては大物オーラが凄すぎるよ、君。
 
正直、私歌舞伎は苦手な部類だと思ってたんですよ。
 
以前テレビでやっている歌舞伎を見て、何をやっているのか何を話しているのかチンプンカンプンで一生縁のない世界なんだろうなって。
でも分からないことは分かろうとしないから分からないだけで、ちゃんと分からないことに向き合えば意外とすんなり自分の中に入ってくるもんなんですよね、何事も。
 
んなもんで「何故今の今まで私は歌舞伎を見てこなかったんだろう?!」と思わず後悔してしまったくらいには歌舞伎、楽しかったです。
 
歌舞伎特融の様式美は美しく、舞台上のセットは華やかで、出てくる役者達もかっこよくて艶やかで粋があってとても魅力的な世界観がありました。
当時から変わらずある演出技法も今見ても劣っているなんてことはなく、むしろよくこんなことを思いついたな!と思うようなカラクリや仕掛けに昔これを考えたであろう先代の方々を尊敬しつつ、その技法が後世まで伝わり今の時代でも当時の客と同じような目線で観ることが出来ることに感謝したくなりました。
やはりこういった伝統芸能はいつまでも繋いでいって頂きたいものです。
 
歌舞伎 is 最高。
 
お金あったら軽率に2回目のチケットを取るレベルで落ちかけました。
 危ない危ない。
 
良かった、お金なくて。
 
「新春浅草歌舞伎」

日程:平成28年1月2日(土)~26日(火)

会場:浅草公会堂

 

 

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