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観劇こそ我が人生

~観劇備忘録~

劇団EXILE松組「刀舞鬼」観劇【感想】

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私が抱いているEXILEというグループの印象はこうだ。

「浅黒い肌」「最近でもないけど何かすごい人数増えた」「どこからJ Soul BrothersでどこまでがEXILEなのか分からない」

ちなみにAKB界隈に関しても同じような印象しか抱いていないので、つまりは「総じてよく知らない」である。
 
そんなEXILEのパフォーマーだった松本利夫氏が2015年に独立し、立ち上げたのが「劇団EXILE 松組」らしい。
その旗揚げ公演に早乙女兄弟が久しぶりに2人揃って同じ板の上に立つということで、ホイホイと釣られて観に行ってきた。
餌があればそれが崖でも沼の縁でも食べに行く、それがオタクの性である。
ちなみに公演時間は2時間10分の休憩なし。
 
※以下、ネタバレ注意。
 

簡単なあらすじ

時は戦乱の世、力がすべての時代。
戦場における彼らの姿は、まるで刀で舞っている鬼神の様だと言われ、故に「刀舞鬼」と呼ばれた。
絶え間ない人間との争いの果てに人里から離れた場所でひっそりと暮らすようになった刀舞鬼一族。
決して裕福ではないにしろ、幸福な暮らしを一族は送っていた。とある日まで。
毎年行われている氏神様を祀る儀式の途中、幼馴染である男勝りな菜切が女性らしい着飾った姿を見せた。その姿に鬼丸と数珠丸は妙な感覚を覚える。
それから皮膚がただれ始め、鬼丸は菜切に対してある感情を抱いてしまう。
「菜切の肉を切り裂いて喰らいたい」と。
一族の歴史を調べ、全てを察した数珠丸は鬼丸に言う。
「刀舞鬼一族の血を引くものは慈愛を抱いた相手を喰らいたくなってしまうらしい」と。
喰らえばその症状は治まるが、情を抱いて相手を喰わなければいずれ五感を全て失い、本当の化け物になってしまう。
自分を保つ為に愛する菜切を喰らおうとする数珠丸と、それを良しとしない鬼丸。
鬼丸の鬼化を止める為に大兼平は菜切に転生の術を使うが、邪魔をした数珠丸は菜切と共に記憶をなくしてしまう。
そして刀舞鬼一族の里が人間達にバレてしまい、再び刀舞鬼一族は里を守るために人間と争うことになる。
人間を恨む数珠丸と人間との調和を夢見る鬼丸。そして人間である菜切。
絡み合う3人の糸を鬼丸は解くことができるのか…。
 
 
****
 
 
組長曰く「パフォーマーとしての経験を活かした音楽とダンスに溢れたエンタテインメントな舞台」とのことで、その言葉通りそれぞれが得意な分野で力を発揮する構成になった舞台。
無理にダンスの人が殺陣やろうとか殺陣の人が歌をうたうとかいうのはなく、皆それぞれの役割を全うしているように見えた。
久しぶりに早乙女兄弟揃っての殺陣や扇子長物裁きも観ることが出来たので良かった。
島袋寛子の歌声も大変気持ち良かった。こういう魅せ方もあるんだな、と。
 
しっかし、お金がかかった舞台は視界が楽しくていいですね。
何もない舞台の上に置かれたひとつの机と二つの椅子、なんてお芝居ももちろん好きですが、たまにお金がかかった舞台セットを見るとワクワクする。
 
話の内容的には温羅伝説を元に作られたTHE・王道ヒューマンストーリーといったところ。
守る者と守られる者、それを壊そうとする者、この3人がメインとなって周りを巻き込む人情劇。
それにOPパフォーマンスがついたり、途中でレビューみたいなのが挟んだりしてある感じ。
キャスパレって視界が楽しくていいよね。
 

メインな人達の感想

鬼丸/松本利夫
この人が出てきた瞬間に客席がきゃあ!って空気に包まれて、「あ、みんなファンなんだな」と感じたのがまず。
ストリートダンスの知識が皆無なのであれが上手いのかブリリアントなパフォーマンスなのかはよく分かりませんでしたが、ファンの人的にはLOVE DREAM HAPPINESSを感じられたのでは。
何処の界隈でも贔屓が動けばファンは泣くんやで(色んな意味で)
しかし、客演が早乙女兄弟だったり富田さんだったり丸山くんだったり演技の達人ばかりの中で1人、どうしても演技の熱量部分ではやはり棒な感じが否めなかった。
 
数珠丸・吉備津彦命/早乙女太一
ローラ・モンテス?一万年後も?とにかく久しぶりに観る早乙女太一はやはりパワーが凄い。
彼が立っているだけで感じる生気という名のパワーと人間としての厚みに毎回惚れ惚れとさせられる。
あと今回の舞台を観ていて気が付いたのだが、私は太一くんの声も好きらしい。
吉備津彦の羽織がとても可愛い色合いだった。
 
菜切・青江/島袋寛子
まさか10うん年前の幼い自分が大好きだった元SPEEDの生歌を銀劇で聴く日が来るとは思わなかった。
透明感のある歌声は変わらず、随分と綺麗な女性になりましたな…
男勝りな役もアオザイを着たお姉さんの役もどっちも好きです。
なんていうか美人が好きです(本音)
 
 ****
 
前半は温羅伝説のその後の話で、後半は温羅伝説に沿って話が進む。
元の話だと、温羅を殺した後、吉備津彦命の夢枕に温羅が現れて「ミコトは世を捨てて後は霊神と現れ給え。我がお主の使いとなり民に吉兆を告げてやろう」と言って命もその通りにするので吉備津彦の温羅に対する後悔だか憐れみの念みたいなものは見えるのだが、刀舞鬼は結局数珠丸(吉備津彦)がどっちに進むか見えずに終わるので「それから?え?で?」っていう終わり方。
最後、鬼丸があんだけ喋って(しかも中々死なない)数珠丸に想いを託してかっこよく(?)死んだのに、数珠丸が「知るかバーカ!!」って結局人間を殺してしまう可能性もなきにしもあらずな訳で。
まぁ、早乙女太一の数珠丸だからそう見えてしまうかもなのだけれど(怖い)
何が正義で何が悪か、と謳っている割にはあまりピンとくる言葉もなかった。
それこそ前回観た「オーファンズ(2016)」の方が何が正義で何が悪かを教えてくれている。オーファンズはいいぞ。
まぁ、数珠丸に関しては後々の話を言っているのかすぐ後のことを言っていたのかは知らないのだけれども。
 
けれど、結局角を折って鬼の特性がなくなったとしても、あれだけ人間を恨んでいた数珠丸は人間との共存もそうだが、人間の特性にも向き合って悩んでいかなきゃいけない。
しかも数珠丸は「鬼」としての自分を上に見て生きてきたわけだから人間に成り下がって生きるのはさぞ辛かろう。
そもそも角が折れたら力も人間並になるんだろうか?
鬼丸は数珠丸に少なくとも殺意を抱いていたわけだが、償いではないにしろ、自分のやれなかったことを数珠丸に背負わせて「俺達の死はこれで勘弁してやるぜ☆」って感じなんだろうか。数珠丸もある意味災難な男である。
 
そんな刀舞鬼のハイライトは「致命傷を負ったら潔く終わろう」で一緒に観劇した仲間とは一致した。
お芝居ではよくある話だが、致命傷負ってから鬼丸、どんだけ話すねん。
途中までは良かったのだけれど、最後が中だるみしていてとても残念だった。
 
それから個人的な話をすれば、ポスターが松本氏と太一くんの2人なだけあって、太一くんの出番が結構多かったし、ゆっくん(早乙女友貴)の長物さばきが見れたので早乙女兄弟成分的には満足。
序盤から2人の殺陣があったし、いつものスカしたゆっくんが見れたし。
雉田かわいいよ雉田。
 
なんというか、兄弟揃って気だるげ(クール?)な雰囲気なのが良いなあとよく思う。
そこが2人の良い色気にもなっているし、技術があるからこそ堂々している態度に比例してより人が大きく見える(実際大きいのだとは思うが)
もしも2人が和気藹々と熱血漢に溢れていたらまた印象も違ったろうし(それはそれで見てみたいけれども)
ゆっくんもどんどん成長してお兄ちゃんの隣やその上を目指しているし、お兄ちゃんもゆっくんに対してライバル心を出しているし、すごく良い兄弟関係だなと改めて思った。
 
いつか兄弟2人主演のお芝居が見られる日を指折り数えながら、細々と兄弟を応援していきたい。
 
「刀舞鬼」
天王洲 銀河劇場
2016年2月19日(金)~28日(日)
森ノ宮ピロティホール
2016年3月4日~6日(日)
 
<出演>
松本利夫 早乙女太一 島袋寛子
丸山敦史 早乙女友貴 黒川忠文(アンバランス) 山本栄治(アンバランス)
富田昌則
安田桃太郎 黒川恭佑 久保田創
白濱孝次 丸山貢治 飯田卓也 野間理孔 谷口巧都
Da-Yoshi(TRIQSTAR) TAKA RICKY TAKASHI J/B YU-YA 矢野祐子 関根アヤノ 他
 

<スタッフ>
ゼネラルプロデューサー・演出:EXILE MATSU
企画:平沼紀久
作:渡辺啓
 
主催:LDH
企画・製作:LDH

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